高江が酷いことになっている。

報道特集の高江ルポが現時点決定版なのかな。

文字起こしはここ
本当に高江が酷いことになっている。絶対に今知っておかなければならないことなので一応まとめておく。
概要は大体上動画で分かるんだが、補足しておくことが数点。まずこうなった経緯。
1995年、米軍兵3名による12才の少女暴行事件が発生し、住民による反基地感情が爆発した。抗議集会には当時の沖縄県知事含め85000人もの県民が参加したという。これを受けて日米両政府は「沖縄に関する特別行動委員会(SACO)」を設置、折しも冷戦終結による米軍再編の機運もあって96年、世界一危険といわれた普天間基地の移設を日米両政府が同意する(SACO同意)。
普天間移設はそのまま辺野古の問題となり今に至るが、SACO同意では別項で北部訓練場の一部返還にも触れていた。3,987haの返還、海への出入りのため38haの土地及び121haの海域を提供。そこまではいいのだが「ヘリコプター着陸帯を、返還される区域から北部訓練場の残余の部分に移設する。」の一行が問題で、移設されるヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)は150人の住民がいる東村高江を取り囲むように配置されていたのである。返還面積は確かに多い。しかし以前は海辺の人里からは離れた場所にあったヘリパッドが高江直近に6箇所も現れることになる。
県民の怒りに後押しされ、沖縄の負担軽減を謳って交わされたSACO同意が、実際には県民の負担をより大きくしている。高江では早くから移設に対し国に意見書や抗議活動を行っていたらしい。しかし「十年くらい前から話が来なくなった。だからなくなったのかなと思っていたら工事が始まった」と高江の区長さんは番組内で話している。もちろん導入されたオスプレイの爆音も問題に輪をかけている。
次に民意の問題。2013年の安倍政権による辺野古移設決定を受け、沖縄県民は反基地、親基地で割れた。とされているが、2014年11月、県内移転反対の翁長知事が誕生。辺野古移転に同意していた前知事仲井真氏に10万票もの差をつけての圧倒的勝利だった。直後の2014年12月総選挙、2016年参院選でも辺野古移転賛成の自民候補は全敗。特に参院選では当時沖縄・北方担当相であった島尻安伊子までが負けている。「沖縄の民意」は県内基地移転反対であることをこれ以上ない結果で示している。
例えば原発の新設には、該当自治体の首長、及び県知事の許可が必要ということになっている。福島原発事故で生じた指定廃棄物の処分場をめぐり東北が紛糾しているのも自治体が抵抗を続けているからであり、かつ、それを中央政府は無視できないからだ。ところが今回、高江ヘリパッド工事は県知事、地元国会議員、立地区の区長誰も許可していないにも関わらず開始された。資材搬入が始まったのは参院選の結果が出たたった9時間後だったという。
国を変えたいならデモとかではなく選挙に出ろ、とありがちな意見言う人も、今の沖縄の反対運動にその論法は適用できない。選挙で示した民意が無視されているからだ。
抗議者たちの行為は合法の枠をはみ出している、などの批判も当たらない。工事側が過積載、違法車両の使用といった脱法行為を強行しているからだ。
そういった無法がなぜ、「沖縄なら許される」のか。日本国民すべてがそこを熟考する必要がある。太平洋戦争時国内唯一の地上戦が行われた沖縄。抗議者の多くはその戦闘のサバイバーである。米軍に火炎放射器で焼かれたおばあさんが、右翼を名乗る者のいやがらせに抗議しようとして逮捕、などという信じられないことが起きている。そのおばあさんらにわざわざ空襲警報のサイレンを聞かせるという下劣極まりないいやがらせが横行している。
機動隊員の「土人」発言に激昂する人がなぜ出るか。
これは沖縄に対する「差別」じゃないか、という声がなぜ上がるか。
日本国民すべてが理解する必要がある。解決のためにどうするか考えろとか以前の問題で、現状の理解すらされていない。何度も言うが、本当に酷いことになっている。