「高プロ賛成」な人の4類型

高プロ法案の問題点は、専門家の方々の活躍によりかなり周知されてきました。また、本来高プロ的なものが求められた背景と、審議されている内容とがどれだけかけ離れているかも分かるようになってきました。
しかし、採決日と目される5月23日を前に、ニュースサイトやSNSで「高プロは素晴らしい」と言いたげな声がしつこく、しつこく、出て来ています。
ただ、大体見たかんじ、いくつかの類型に分かれるようです。ここではその「高プロ賛成のステレオタイプ」をざっとながめてみましょう。

Trollさん型

まず、野党をバカにしたいだけのネトウヨさんたち。どーでもいいことしか言わず、だいたい「ミンスガー」に話を落とすのですぐ分かります。Youtubeで稼げなくなって落ち込んでいるだけなので容赦なく罵倒してあげると喜ぶと思います。

学者さん型

次に、高プロとはこういう背景や理念から出て来たもので、即否定されるべきものではない。と主張したいだけの人。わりと実名の学者なんかにもいるのですが、その主張は現法案のグダグダさを全く弁護できていない。ていうか本当にその理念に沿った法案になっていればうちら、こんなに反対しないです。知識人がよくやる逆張り芸とはこういうものかー、と、物見遊山な気持ちで見物してあげるのがいいでしょう。すぐ支持されたとカンチガイするので投げ銭は推奨しません。

コンサルタント

三つ目は、高プロという話題にのっかって、「ぼくのかんがえるりそうのろうどう」を語りたい人です。経営や経済のプロの方が多いようです。自分の専門分野のことが話題になっていると、つい口をはさみたくなる気持ちは分かりますが、当然高プロ法案の内容とは全く違った話に行きます。結構いいこと言う人多いです。しかし今審議されている高プロ法案とは全くかけ離れていますので、丁寧にご退出願いましょう。やりかたはかまってちゃんを追い出すときとおなじです。

熱血社員型

最後に、これがたぶん一番の難敵でしょうが、働くことに生き甲斐を見い出し、賃金労働者としての権利を下から主張する者すべてを軽蔑してしまっている人たち。自分もかつてこれだったから気持ちはとても分かります。なので丁寧に説明しますと、今問題になっている高プロ法案は、そういう人たちを経営者がより食い物にできる法案です。適用されたからといって労働時間の縛りから解放されるわけでも、賃金が上がるわけでも、会社のしきたりから自由になれるわけでもありません。本来あなたがたこそ、この法案に反対しないと損する層なんですよ?と伝えたいのですが、なかなかこれがうまく行かない。
いずれにせよ、労働の質が変わって来たことで待望されたホワイトカラーエグゼンプションと、今審議されている高プロ法案とは、全くの別物になっている事実を直視することからしか、高プロ法案という話題について身のある話は出て来ないはずです。あなたが上に挙げた4類型に当てはまっていないか、冷静に考えてみることをお勧めします。