キャバーンビートの代表と話した感想。意見や主張はもうしたんで感想。

前提がものすごく食い違っちゃってるんだよね。と思いたかったが、やっぱりみな、知った上でスットボケていると思うしかなくなって来た。
ヘイトスピーチをめぐるいろんな人たちの動き、のことなんだけど。
ライブハウスCavern Beatに鳥肌実が出演する件で、例によって酷い悪目立ちをしてしまい、大事なフォロワーさんに酷い目に遭わせてしまい、正直泣きたい気分である。
舞台芸に関わる人なら、ミュージシャンでも舞踏家でも演劇人でもラッパーでも、もちろんハコ付のスタッフでもとりあえず一目置いてしまう癖が俺にはあるらしい。それが今回は完全に裏目に出た。
話せば分かる、と思ったんだよ。非難に行く前に話せば、現場の人なら分かってくれる。そう思いたかった。現実は明らかに違った。私がFBで話したのは「代表」というかたがきの人で、もしかしたらマスターとかでない「単なるオーナー」なのかな、と勘ぐってしまうほどに、話から何の矜持も感じ取ることができなかった。
会話なんてのは互いを認め、尊重するところからしか始まらない、というのは持論だし、これまでの人生で裏打ちして来た経験則。だったらまず話さないと、と思ったし引くところは引いたしアタマも下げた。先方に鳥肌九州ツアーをめぐる騒ぎは当然伝わっている。それでも引き受けるというなら舞台人として興味深い発想がそこにあるのではないか、という微かな期待もあった。
向こうの態度は徹頭徹尾、被害者ヅラだった。
テッテ的に白旗を挙げ、あなたがたに危害を加える気はない、というところから始めたオレに対してさえ、徹底的に被害者ヅラだった。何も聞き出せるはずがないし、もちろんこちらから何も伝えられるわけもない。
聞きたかったのはそこじゃないんだよ。彼らが鳥肌という人をどう捉え、今世間で起こっていることを踏まえて尚鳥肌を舞台に上げることの意義を語って欲しかった。共感すれば日頃Twitterでフォローしてる人たちに伝える用意もあった。
けどあれだもの。
どこまで舞台芸術というものをナメてるんだ、という感想しか出ない。
それくらいいいじゃん、で誤魔化せる話なのかどうかは個々人にかかっている。けど前提として今在日ヘイトがどれだけ酷いことになっているか分からん人はそれについて語る資格すらない。小学生が真顔で「愛について」語るようなものだ。
ハコというのは、扱うバンドで色が出るし、そこにオーナーの色が出る。言ってみればブッキングというのはハコの「表現」だと言っていいし、それに異論を挟む者などそうそういないと思う。
そしてサブカルチャーというのは、世間にとってのタブーに体当たりでぶつかることでしか成り立っていない。サブカルチャー表現者は、社会のタブーに触れることで社会からの反撃を受けることと覚悟しているものだし、そのリスクを冒すことによって表現を成立させる。
ハコがそういうものを受け入れる、というのは、サブカルチャー表現者が負うべき覚悟を一緒に負う「共犯者」となることだ。なかなかできることではないし、うまくやれば誉れともなる。何を狙い、何を撃ち、どうしたいのか。
…そういうのが全部「小学生が愛について語る」ようなものだったと知った時のやるせなさったら、なかったよ。