「こんなことをさせたくて安倍政権を支持したんじゃない」

昨夜のてっぺん直前、Twitterに流れて来たひとつのツイートで心底心が冷えた。昔っから中東の報道を見るたびにビデオで流れる戦場の風景、そこで戦う年端も行かぬ戦士たちに「うちらは絶対、かなわない」という思いを植え付けられて来た。どんな理論にも勝る身体の実感だ。その絶対かなわないと思って来た世界が日本を名指しで標的にし、それによる死者が出たという結果が示された。
たぶん、そういう風に思った人は多かっただろう。多かったというか、絶対的大多数があの報道に戦慄したはずだ。(そんな身体感覚すら持たない連中がいることはネットがはっきり示しているが、どうせ何もできないから目線から外す)
「会社の都合」で、「地域の空気」で、「なんとはなしに」安倍自民に投票して来てしまった人の中には表題のようなことを思っている人が絶対いるだろう。無理もないのだ。テレビの向こうの出来事より今の自分の生活の方が大事。それが当たり前なのが人間だし、これまでの日本では「会社の都合」他の理由を抱える者なら「それ以上の理由」を実感を持ってみつけることなどできなかった。
けどもう「これまでの日本」ではなくなってしまったのだ。
はっきりと、自分らを敵視している武装集団がいる。テロは原理的にいつどこででも起こり得る。戦闘機やら哨戒機なんぞではまず防ぐことはできない。死を覚悟した者なら原発のいっこや二個平気でぶっこわし得る。つか、日本という国をモラルが崩壊するほどに憎んでたらオレだって真っ先に原発を標的にするだろう。
自分はこんなことをさせたくて安倍政権を支持したんじゃない。言いたくなっても全く不思議はない。不思議はないが、安倍自民はあなたがたの票を根拠に自分らの路線を「民意」だ、と、どこまでも突っ走るだろう。不況がもう少し我慢すれば終わるかも知れない、という期待を込めた人も多かっただろう。前回総選挙の自民の公約はまさに「そういう人こそ自民へ!」と言っていた。集団的自衛権とかなんだとかについてはほぼマニュフェストに含まれていなかった。あなたがたはハメられたのだ。
だからそういう人たち、今からでも遅くないから、口に出してこの文句を言って欲しい。
「自分はこんなことをさせたくて安倍政権を支持したんじゃない!」
「安全保障をしっかり考えていると豪語していたから信頼したのに全然ダメじゃないか!」
あなたが日本会議の会員だろうと、神道政治連盟の会員でも構わない。昨夜から今朝にかけて目にしてしまった現実を前に戦慄した者なら誰だって口に出すことができるはずだ。戦争できる普通の国が抱える現実を、初めて実感をもって知った今だから言えることがあるはずだ。言って欲しい。
「自分はこんなことをさせたくて安倍政権を支持したんじゃない!」
あなたの入れた票は「こんなこと」に利用されている、という現実を受け止めて欲しい。