ここがニホンの最下層

特別養護老人ホームを運営する全国の社会福祉法人が「内部留保貯め込み過ぎ」と批判を浴びている件。
おいらの勤め先は一般企業なので微妙に他人事ではあるが、専門学校時代に貼られていた求人票を見た限り、給与の差が一般企業と社会福祉法人とで違うようなことはなかった。介護職員の給与がその労働内容に対してあまりに安いということは新卒職員の半数が三年以内にやめてしまうという驚異の離職率が証明している。ところが各施設を運営している社会福祉法人さんたちのフトコロはホッカホッカでしたと。
世間にはこの話「介護報酬引き下げ」つまり介護施設利用者の自己負担金を下げるという話になっているから「いいニュース」ではある。勤め先の施設、及び夏までいたデイサービスの利用者はなんだかオカネモチばかりなのが現状なのだ。介護保険なんて払っててもさあ、どうせうちら貧乏人は施設なんて入れてくれないんだろ?という声を口まで出かかりつつ噛み潰しながら仕事をしている。いいたかないが、おいらがここで原発云々のことでぶーぶー言わなくなったのは、毎日顔合わせてる利用者のひとりが某電力会社にいたと知ったからである。認知症のせいとは思えないほどにガキでわがままなそんなヤロウの下の世話を、原発のことを考えながらなんてできやしない。自分と同じようにギリギリの場で生き抜いて天寿を全うせんという高齢者は、とっくにくたばってるか施設に入れず家族を泣かせていることだろう。これは解決されなければならない問題なのは確か。
しかし、なんでこうも俺ら介護職の給与は安いのか。十分すぎるほどの金が国から法人に落ちているのに、法人が現場の職員を安く使い叩いている、という国が暗に示した現状認識はどれだけ正しいのか。
これからもっと現場が大変になるというこのタイミングで国がこういうことを言い出したというのは要するに「介護とかにカネ使いたくないです」と彼らは言っているのと同義なわけで。
んで、しまいにゃフィリピン人を安くつかいませう、ときたもんだ。
「おいらはこの世間の最下層にいる」という実感がじわじわと湧いて来る最近。