敵国、日本。

イスラエルのガザ空爆について知れば知るほど湧いて来る無力感。
イスラエルという西側世界の鬼子がイスラム世界においてどれだけ暴威をふるって来たかは私が語るまでもない。しかし相対するイスラム世界が「我々の思うところの」マトモさをもって外交に当たって来たかと言えばそうでもない。いずれにせよ、イスラエルが「国家」を名乗り、それを攻撃する勢力がある以上武力の行使は当然、なる声もあるにはあるが、それが「まともな発想か」と言えば「冗談ではない」と応えるしかない。
戦争はなぜ起こるか、我々日本人が彼らに対して考え得ることはその一点だと思って来た。
イスラエルという国においてその要因はひとつではないが、あらゆる地域であらゆる勢力が「経済的に自立」できており、その国のリーダーがあくまで民主的に選ばれていれば戦争などそうそう起こるものではない。食うことができない貧困。最低限の暮らしがそこにないから誰かが命を賭けてしまう。人は暮らしに没入して生きる生物だ。暮らしそのものが成立しなくならなければそうそう無茶はしない。
対立する勢力の片方に日本が「安全保障面で」加担するというのは、日本はもう片方の勢力に対してはっきりと「敵国」となるということに他ならない。安倍とイスラエルのネタニヤフ首相との5/12の共同声明は「安全保障面での相互協力」がはっきりと謳われていた。我々は全体像を理解することすら不可能な中東和平にとうとう「軍事面で」参加させられてしまったと言っていい。我々はガザの人々の「敵国」となった。
「平和国家」を名乗り、双方への経済的協力をすることで根本的な紛争原因をなくして行くという手立ては、これではっきりと失われた。
http://www.asahi.com/articles/DA3S11024347.html
こんな人たちの「敵国」となった。