彼らは戦争でナニを「守る」のか

これまで遭遇したネトウヨ、じゃなくて安倍信者に、自分らの生活や自分らの住む町、仲間、家族のことを鑑みてものを言っている人がひとりとしていない。というのは結構ショックだったりする。
軍需でひともうけ、と、狙いがはっきりしている政治家や経団連周辺、もしくは大企業の人はまだいい(いや、奴らが一番悪いのは明白だけど「人として理解できる」ということ)。しかしてとてもまともに自分で食ってるとは思えないようなネトウヨ、じゃなくて安倍信者が、何を守るかさっぱり分からない「日本を守る」を連発している光景はもはやカルト宗教の祭りでも眺めている気分だ。普通に、不気味である。
あしたのジョーがバイブルだった世代なので、「彼には守るべき家族はいないのか」という台詞は一種の死亡フラグなのだけれど、ジョーの「真っ白な灰になる」という情熱はちゃんと共感できるんだよね。自分の命を自分で生き切ることへの共感が。夢枕獏の「神々の頂」にも似たような発想がある。
両者ともたやすく至れるような境地ではない。まして一日ネットでぶつぶつ言ってるだけの連中にはそこに至る道筋すら分からないだろう。けど、物語として見事に提示されてしまったそれをインスタントに追体験して、「分かる!」とカンチガイしてしまった可能性はあるので何とも言えない。
かつては「クラスに馴染めない少年がクラス強制参加の文化祭に過剰に期待する」のと同じ現象だと思っていた。Amazonで麻生本のレビューにそんなことを書いた記憶がある。「ネトウヨは居場所が欲しい」という茂木健一郎の言葉と似てしまっているのが癪に障ったが、今となってはこれも怪しい。彼らの言う「日本」について、全くイメージできなくなっている。
戦争は人を狂わせる。という言葉だけが妙に心の底で重い。
まさか本当に軍事オタがハシャいでるだけだった、なんてオチはないよね?