戦時の日常への想像力を磨きましょうね

集団的自衛権の件では昨日から山ほどの言葉が流れているし、自分がしゃしゃり出て何かを語れるほどの知識など持っていないので、意思表示にとどめる。
もちろん、反対です。
ただ、身近に集団的自衛権を熱く支持する奴がいたとして、そいつを説得しようって時に一番言われたら難儀だろうなー、と思われるのは以下のこと。
「これまでさんざんアメリカという軍事力の傘の下でうまい飯食っておきながら、自分らだけ平和って虫が良すぎない?そのアメリカの戦争で「同盟国」を名乗る国の自衛隊が武器を持たないっておかしいだろ?」
なんだかんだ言って、そういう気持ちがあるんじゃないのかね?少なくとも産業界のみなさまには。これを言われると憲法とはそもそも、みたいな論は無効化されるし、何か日本人がとても卑怯な立場にいるような気にさせられる。アメリカ必ずしも正義ではないことを指摘しても「だってうちらどうしようもなくアメリカの下僕じゃん。何をいまさら」と返されたら言い返すのは難しい。
金儲けのためには戦争しかないと腹くくってしまった経団連みたいな彼らが、宗教的熱狂で突っ走る安倍という駒を得たというのは非常にマズいのだが、安倍は宗教的に尊いものである日本の誇りを貶めるこのような発言だけはできない。自分らは首相が安倍であるおかげでそういう点だけは楽させてもらっていると思う。アタマのてっぺんからつま先までカネ、カネ、カネの財界人出身ファシストだったら、この一日で安倍に対して吐かれたブーイングの5割くらいは無効化されていただろう。
けど、上のようなことを言われても言い返せる見地はあるんだよね。
その最大のひとつが「コロシ」というものに対する忌避感。
それから「戦争してまで守る価値のある国益などない」という事実。
どーせ生き残るのも金儲けするのもてっぺんの、国民の1割にも満たない富裕層だけであること。
どれもナントカ論とかが大好きな連中にとっては「興冷め」な話だろうけどね。
「例えばワタミの社長みたいな輩、もしくは竹中平蔵みたいな敬礼しても絶対サマにならないヘチャムクレのために誇りを持って戦えるか?死ねるか?その戦死時に鳴っているBGMは勇ましいマーチになりうるか?感動的なアニソンになりうるか?せいぜいが幸せだった子供時代学校で歌った「虫の声」とか、そんなんじゃないの?
ヤンキー的なものがあんたら大嫌いみたいだけど、戦時になればそういう空気そのものになるんだよ?大して鍛えてもいないあんたらはヤンキーよりも目つきの悪い戦争狂の上官から毎日いじめを受けるだろうね。集団生活についていけなくてドロップアウトすると「非国民だー!」ってリンチ受けるかもね。
自分のような最下層の人間にとって、その興冷めなイメージはそのまま戦時における日常になる。高等でなく、知的好奇心をちっともくすぐられない、あんたらは話題にもしたくないこれらのことがそのまま自分らの日常そのものになるんだよ。支持してられっか。」
想像力ってのはね、気持ちよくてロマンチックなものしか生み出せないわけじゃないんだ。今の政府の指導のもと戦争になったとき、自分が何をしているか、そういう想像力をもちっと働かせてみなよ。
…なんとなく、自分が持てる力を最大限に発揮した「反戦のための言論」はこんな方向性になる気がする…。