「脱原発したければ代案を出せ」の誤解(2)

正直ヒヤヒヤしていた。東北にはカネで国に尻尾振った首長が山ほどいるし、その横暴をきちんと伝えてくれるのは草の根メディアくらいである。石破の500億円報道があった時には「こりゃ負けても仕方ないか」とまで思った。そういう人をこれまでたくさん見て来たからだ。Twitterで「沖縄の人を信じている」なんて書いてみはしたが、本心は「信じさせて下さいお願いします」といった、祈りに近い気持ちだったのである。
名護市民のみなさん、本当にありがとう。関係ないでしょ、と思われるかも知れませんが、今回のことで快哉をあげている東北人はとても多いはずだ。
さて、ここからが本題。
政府がカネをばら撒いてまで推進することは政府がやりたいことである。そして「あんたらには泣いてもらうことになる」という通告でもある。酷く汚いやり方だが、実はこれ、地元の意向を考慮している点、「脱原発したければ代案を出せ」論より数段、良心的なのだ。
「代案を出せ」と言う人は電力維持による経済効果が欲しい人たち。しかしその経済効果の恩恵が中流以下の私たちを潤すことはない、と知れた。だから電力維持の恩恵などない私たちは、「なんでお前らオカネモチのためにそこまで考えてやらなきゃならないんだよ」と言っていいのだ。もうとっくに。しかしそこを弁えず、「日本のため」なんて名分振りかざして騒いでる連中は多い。ダム工事の説明会ですら、それが地元民にどれだけのメリットがあるか必死で説明するのに、「日本のため」と言えばいかなる横暴も許されると思い込んでいるバカが増えてしまった。
名護はこれからが大変で、そういうバカたちからの圧力を今後受け続けることになるだろう。陰ながらではあるが、出来る限りの協力をして行きたい。今回の決断に心から敬意と感謝を表明する。