都知事選挙おぼえがき

都知事選挙脱原発にとって大きな意味を持つ。ただし勝てば日本は脱原発に大きく傾く、という意味ではなく、負けると「国民の支持を得た」と原発再稼働の口実を与えてしまうという意味で。
舛添さんの「反原発」が方便に過ぎないことは、彼の脱原発ですよ発言の数時間後にはTwitterで暴露されていた。あろうことか彼、たったひと月前のラジオ出演で、「廃棄物はシベリアにおけばいいじゃん」などとのたまっていたと言う。政治家は嘘をつくだろう。しかし嘘をつく相手が投票者というのでは話にならない。
田母神さんも演説で「原発で死んだ人はひとりもいない」などと大嘘を主張してドン引きされていたが、怖いのは彼自身が「私と安倍総理の考えは一緒です」とのたまっていること。要するに安倍も似たような現状認識しかしていませんってことだもんな。
困ったのが細川さんで、総理時代の彼のことを考えると小泉とくっつく、みたいなことは考えにくい。つまり明らかに親原発陣営(政党に限らず、いろいろありますやね)がよこした撹乱要員としか思えないのだが、小泉人気にあやかっている効果がてきめんに表れている模様。しかし主張に情熱が感じられず、舛添さんにまで「シングルイシューで課題の多い都知事になろうっての?」みたいなことを言われてしまっている。脱原発陣営は「とにかく勝たねば!」と考える人が多いので票が彼に集まるのは必定っぽいけど、考えてみてちょうだい。公約が脱原発でも、勝利した途端昔のカネのことで揺さぶられてお役御免になったら目も当てられないし、実際なりそうじゃない?まして小泉がくっついてるとなると…。
となると宇都宮さんか。IWJのインタビューなどを見る限り非常にマトモなことを言っているし、姑息な選挙手段とも縁が遠いのは間違いない。ただ彼はその公約を実行できるか、という点で不安がある。石原があれだけ存在感を示したのは有名人である上に政治家などにオトモダチが多くいたからだ。そうでなければ知事というのはいち地方公共団体の長に過ぎない。政府の協力を得られない都知事がどれだけ働けるか。
柏崎原発のことでがんばっている新潟県知事や人権団体なんかと(選挙的な意味でなく)共闘してくれるとおもしろくなるか。雇用や福祉もとても深刻な問題なのだけど、例の「経済特区」がどのように実現され、どのような影響を及ぼすかを読み切らなければ多分、今の政府と戦えない気がする。
いずれにしても、自民の息のかかった連中ってのはどうして、ああも平気で票を頂こうという有権者に嘘をつくのかね?そういうことを恥と思うメンタリティがないって時点で民主主義国家で政治家やる資質はありませんと言っているようなもんなのだが。