まったく「とてつもない日本」になったもんだ

麻生「利益出してない企業は運が悪いか能力ない」
こんなことを一国の財務大臣が言うんだから。終わってるねニッポン。
世間知らずのボンボンがこういうこと言っても平時なら「ばかじゃねーの」で済むが、今はその世間知らずのボンボンが財務大臣なんてやってる。そのこと自体が異常事態なのだが、もはや我々はその異常事態に麻痺し始めている。
あんたに他人の労働の質を測る物差しなんてあるわけねーだろ。これで怒らない労働者がいるとすればそれはアベノミクスとやらの恩恵を受けてる公務員(ばいこくど)や大企業の連中くらいだろう。それにしても選挙中にこの発言、平時ならもはや「発狂した」と思われても不思議はないのだが、なぜそうならないかと考えてみれば、まあ東浩紀あたりに代表される今の(自称)有識者たちの「あんたのようなバカとは話が通じないよ」という態度、それを恥と思わない心性なんだろうなあ。「話が通じない」というのはあーたの不徳でしょうが。という人として当たり前の姿勢どこかにスットンデ消えてしまっている。
彼らが「バカ」とした時、彼らと「バカ」の間に引かれるのを「国境線」と比喩した人はいたかもしれない。しかし今や比喩でない本物の国境線として機能し始めている。
どこかの二世三世ボンボンやら、ガキの頃からオベンキョウしかして来なかった受験戦争の勝者が、市井のひとびとに対して持つ劣等感として、実はこれほどステレオタイプなものもない。見透かされていることにすら気付かず「この愚民ども」と言えるのは要するにそういう連中の友達にはそういう連中しかいないからなんだろう。ますます彼らの「国?」はそんなやつだらけになる。思うだけならまあ許すが、そこに妙な選民意識が滑り込むともういけない。
何度か書いて来たことだが、たとえば「俺は上司だぞ!」とか「あんっ、私は教師なのよ」など、自分の立場をテコに周囲に言うこと聞かせようという行為は、あらゆる通俗小説、漫画、映画において「ダメ人間フラグ」だ。それはつまり、およそ人間社会においてそういう行為が「クソ」と認識されてるってことに他ならない。
そういう素養すらないで、何の恥ずかしげもなく立場だけで人を動かそうとする輩が増えすぎた。彼らは彼らだけの「国」を今や完成させようとしている。
まったく「とてつもない日本」になったもんだ。