ガザ虐殺とオープンソース

イスラエル、と聞いてオープンソース界隈の人が思い出すのはZend FrameworkでありcoLinuxなんだろうが、これらの開発にガザでの愚行による影響は出ているんだろうか。
気になってググってみたが、少なくとも日本語圏には「coLinux作者はイスラエル人だから云々」とか「もうZendなんて使ってたまるか」みたいな声は見当たらない。「スポーツに国籍はない」にも似たコンセンサスでもあるのだろうか。それにしてはOSS関連に首を突っ込んでいる人に当たり前に嫌韓嫌中を口にする人がいたりする。「オープンソースの雑談サイト」だったはずのslashdot.jpが今や原発大好きっ子とネトウヨの巣になっていることも含め、日本のあの界隈の「国際感覚」にはとまどうことが多い。英語読めなきゃ話にならない世界なのにね。
そんなことを思うのは、経済のいわゆる「グローバル化」の果てに世界を牛耳るであろう大企業に対しては、せいぜい不買運動やプロダクトを利用しないことくらいしか対抗策が見当たらないからだ。国単位の悪行のために企業に圧力かけるのも、その逆も空しいだけだが、なにしろ具体的に相手にダメージを与えうる「抗議」手段がさっぱり浮かんで来ない。自分はエディ・ヴェダーでもブライアン・イーノでもないもので。
以前「GitHubでの心温まる会話」として出回ったこれのフランクさには大変頼もしさを感じたものだが、今や「技術大国」であるイスラエルが軍事利用するかもしれないプロダクトにパッチを送ったりするのは、それがオープンソースの世界であれどうなんだろう。と、いらんことに気が行くのもまた事実。
日立や東芝などの連中が「兵器輸出」という点に驚くほど鈍感なのは、こういう世界に身を置いているからでもあるのだろうけど。
だけど虐殺だぜ?ヒトゴロシなんだぜ?
やっぱり現地から遥か離れた日本国内で、イスラエル政府やハマスに抗議するしかないのだろうかね。